保健所なら保険証がなくても無料・匿名でHIV感染症(エイズ)等の検査が受けられます (*´∀`)ノ

近年の若い世代のカップルは、オーラルセックス(フェラチオ、クンニリングスなど)を日常的に行う割合が高くなっており、20歳代の女性の約70%はオーラルセックスを経験済みというデータがあります。また風俗サービスの多様化に伴い、お客に提供される類似性行為の種類も増えてきています。

HIV感染を調べる血液検査

当然、性病に感染するリスクも必然的に高くなっているのですが、最近の性病は感染しても症状が現れにくい傾向にあることと、若者の性病に対する認識が甘いため、感染者は増え続けています。

これらの性行為を行う頻度の高い人、あるいは風俗店を利用する機会の多い男性は、1度は性病の検査を受けたほうが自身やパートナーのためになるのですが、「保険証を使うと、受診したクリニックの名前が家族にバレるので言い訳に困る」などの理由で検査を受けようとしない若者は意外と多いのです。

確かに保険証を利用して性病の検査を受けると、自宅に「医療費通知」なる封筒が送付されてきますので、検査を受けた医療機関の名前、受診日、診療区分(本人、家族、調剤ほか)などが家族にまるわかりとなってしまいます。

ただし、「性病科」や「泌尿器科」、「婦人科」といった診療科名や診療内容までは記載されないので、家族には「膀胱炎っぽい症状がでたので泌尿器科へ行ったんだよ」とか言い訳しても大丈夫でしょう。

それでも「病院へ行ったという記録を見られることすらイヤ」という方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、保険証を持参しないで「自由診療」という形で性病検査を受ければ、家族にはまずバレません。当然、費用は全額自己負担となるため、初診料、検査費用などを合計すると1万円を超える支払いが生じてしまうので、懐具合のダメージは少なくありません。

なお、保険証を持参して泌尿器科や婦人科へ行き、「保険診療」による性病検査を希望したとしても、性病を疑わせる自覚症状が全くない場合は、保険が適用されずに費用が全額自己負担になる可能性があります。

例えば、健康な人が性病関連のニュースを見て「へー、最近は梅毒が再び流行しているのか〜。フムフム、梅毒に感染しているとHIVをはじめとした他の性病の感染リスクも高まる…ってなんだか不安になってきた。そういえば先月、ピンサロでフェラしてもらったし…」といったパターンで病院へ行っても、検査費用は100%自己負担となる確率が高いのです。

そんな人たちのために、全国どこにいても性病検査を無料で受けられる制度があります。お住いの地域の保健所では、健康保険証がなくても、無料かつ匿名でHIV検査を受けることができるうえ、保健所によっては、HIV感染症(エイズ)の検査にあわせてクラミジア梅毒の検査も無料で受けることができます。

性器クラミジア感染症は国内で最も感染者数が多い性病で、この病気がもとで他の性病との複合感染を起こしていることも多いので、クラミジア検査が無料で受けられるのは大変助かりますよね。

保健所で匿名で受ける迅速検査

HIVの検査方法は、まずHIVに感染している可能性があるかないかをふるいわける「スクリーニング検査」を行います。そして、@陽性反応が出た場合、精度の高い確認検査を実施して、その結果を1〜2週間後に通知します。Aスクリーニング検査で陰性の場合は、検査当日に結果が通知されます。

検査前に覚えておきたいのは、HIVに感染していても検査結果に反映されない時期(ウィンドウピリオド)があるということです。HIV感染後の一定期間は抗体が少なすぎるため検査では検出ができない、つまりHIVに感染していても、この期間に検査を受けたら誤って「陰性(=問題なし)」と判定されてしまうのです。

したがって、HIV検査は危険な性行為があった直後に受けるのではなく、抗体ができる12週間以降に受けることが求められます。「どうしてあんな危険なセックスをしてしまったんだろう?早く検査を受けて安心したい!」という焦る気持ちはわかるのですが、12週以前に検査を受けても意味はありません。

平日の夜間や土日の検査が可能な保健所も一部にはあるものの、検査を平日(週1、2回)の夕方までに限定して、要予約かつ先着10〜20名程度で締め切る保健所が多いため、お勤めの方にとっては受診が難しいこともあるかもしれません。またHIVの検査を受けずにクラミジアや梅毒検査だけを単独で受けることはできませんので注意しましょう。

保健所でのHIV検査の手順はだいたい以下のようになります。@保健所に電話して「HIVの匿名・無料検査」を申し込みます。そして検査日時と予約番号を告げられます。A予約した日に保健所に行き、診察室前の受付で予約番号を告げます。B受付番号表をもらい、HIV検査を受けるためのパンフレットを読み、検査申し込み・受診表に記入します。

C自分の受付番号表が呼ばれたら診察室に入り、医師から問診を受けます。先述の「ウィンドウピリオド」について説明があります。簡潔に言うと、HIV感染のリスクがある行為を行っても、12週間程度の期間を開けてから検査を受けないと正しい診断ができないということです。D看護師から採血をしてもらいます。

保健所の検査は無料ですが、検査頻度は月1回と決められています。検査の種類などは保健所によって異なりますので、詳しくはインターネットでお住まいの地域の自治体のHPをご参照ください。

匿名で検査を受けられます

近年はインターネットで性病の検査キットを購入して、検体を検査機関に郵送する「郵送検診」も普及しています。膣分泌液、尿、うがい液、指先の血液などの検体は専用のキットを使って自分で採取する必要がありますが、検体の判定は、医療機関で検査を受けた場合と同じ厚生労働省の認定を受けた施設が行いますので、判定の精度に差はありません。

「平日は仕事の時間の関係で病院へ行く時間がない」、「病院だと顔見知りに会う可能性がある」、「近くの婦人科は男性医師しかいないので、女性が性病検査を受けに行くのは恥ずかしい」などの理由で、これらの検査キットを使用する方は年々増えてきています。

ただし、医療機関や保健所の検査と同様に稀に見落とし例があったり、検体を採取する場所や量などの問題で正しい結果を得られない可能性もゼロではないため、過信は禁物です。

>> 平日お忙しい方でも安心!郵送検診なら自宅で性病の検査が受けられます

「性病が怪しいかも!?」と思ったら、男性は泌尿器科、女性は婦人科へ行きましょう

保健所では無料で性病の検査を受けることができますが、先述のように対象となる性病の種類や検査可能な曜日が限定されています。最善の選択はやはり、専門医のいる医療機関で検査を受けることです。

患者に検査を説明する医師

オシッコをした際に"シカシカ"あるいは"ピリピリ"とした痛みを感じる、尿道がかゆい、ペニスの先端から膿が出るなどの自覚症状がある男性、あるいは黄色や緑色のオリモノが出る、オリモノが臭い膣がかゆい、セックスするときにアソコが痛い(性交痛)といった症状がある女性は、性病の可能性が高いため、医療機関を速やかに受診することが大切です。しかし、「どこの診療科に行ったらいいの?」と迷ってしまう方も少なくありません。

性病が怪しいと思ったら、男性は「泌尿器科」、女性は「(産)婦人科」で診てもらうのが一般的です。これらの診療科に比べて設置している医療機関は少ないものの、「性病科」があればそちらでも構いません。

なお、男性の中には「性病検査」ときくと、「尿道から細い管のようなものを入れてペニスの中を調べるんじゃないか? 死ぬほど痛そう… ((( ;゚Д゚))))」と不安になって泌尿器科の受診を躊躇う人がいるようです。

細い管とは、「膀胱内視鏡検査」のことを指していると思うのですが、あれは痛みを伴わない血尿が頻繁に出て、膀胱がんや腎盂・尿管がんの可能性を疑われた際に行うものであり、通常の性病検査では行われません。そもそも内視鏡検査は局所麻酔の下で行いますので、尿道が狭くなっていたり、重度の肥大症や炎症がない限り、痛みはほとんどないものなのです。

また、「ペニスを男性医師に見せるのはともかく、女性の看護師に見られるのは耐えられない! 診察中に"ムクムク"と勃起してきたらどーすんだ!?」という声もよく聞かれます。

性病の検査でいきなりペニスを見せることはありません。医師の診察の前に、自覚症状がある場所、痛みやかゆみの程度、発症時期などを記入する「問診票」を受付に提出しますが、その記入内容でペニスの病変があり、肉眼で見る必要があるときにだけ、ペニスの視診や触診が行われます。

その際は、カーテンを閉めた状態で医師だけが診察を行い、看護師は外にいますので、看護師に「フムフム…亀頭にピンク色のブツブツがあるわね。それとカリの部分に恥垢が少々…」とジックリと観察される心配は全くありません。ただし、治療上の処置などで看護師の補助が必要となる場合は、その限りではありませんのでキッパリと諦めましょう。

アソコの付け根の裏側に"粉瘤"というオデキができた知人(男性)は、その除去手術の際、アソコの毛を剃毛されたうえ、垂れ下がった陰嚢(いわゆる"金玉袋")が邪魔なので、看護師に紐でくくって上に持ち上げてもらっていたそうです。その様子が、おでんの具材である「もち巾着(写真参照)」にソックリだったそうで、アソコ丸出しの状態よりも恥ずかしかったとのこと。これに比べれば、ちょっと見られるくらい大丈夫ですよ! 今日の夕飯がおでんの方、申し訳ございません <( _ _ )>

話が少し脱線してしまいました。男女で検査項目は多少異なりますが、婦人科や泌尿器科では以下に挙げる検査を行い性病の有無を確認します。いずれの検査も、何らかの症状があって医療機関を受診した場合、健康保険がききますので安心してください。なお、結婚前に行う"ブライダルチェック"など、自覚症状がない場合に行う検査は健康保険がきかないので、検査費用は全額自己負担となります。

尿検査
尿の中のクラミジアや淋菌、トリコモナスなどの存在を確認することで、これらを病原体とする性病に感染していないかを調べるものです。尿道で増えた菌はその日最初の尿に多く含まれているため、朝の起床直後、それが無理ながら場2〜3時間ほどオシッコを我慢したあとの尿を採取して調べます。

血液検査
主に梅毒やHIV感染症(エイズ)、B型・C型肝炎が疑われた際に実施されます。近年、30分程度の待ち時間で陽性・陰性がわかるHIV即日検査を実施している医療機関が増えています。

おりものの検査(女性のみ)
膣の入り口付近を綿棒(カルポーター)で軽く擦っておりものを採取します。それを顕微鏡で拡大して見ることで、クラミジア、淋菌、カンジダ、トリコモナスなどの病原体に感染していないかを調べます。

喉の粘膜の検査
主にフェラチオを介して、クラミジア・淋菌・ヘルペスが喉に感染するケースが増えています。そこで綿棒(カルポーター)で喉を軽く擦って粘膜の採取を行い、これらの病原体が存在していないかどうかを調べます。

性器(ペニス)の表皮などの検査
ペニスの目で確認できる部位にイボイボ、ただれ、水ぶくれなどの症状がある場合、表皮の細胞を採取して調べます。亀頭包皮炎、性器ヘルペス尖圭コンジローマなどがわかります。

陰毛の検査
"掻き毟らずにはいられない!"ような陰部の強いかゆみは、主に陰毛の毛根に寄生している毛ジラミの感染が疑われます。そこで陰毛を採取して、毛ジラミやその卵がないかを調べます。


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