挿入後に膣がこすれて痛い場合は膣カンジダ、奥が痛い場合はクラミジアや淋病の可能性

近年は、10代から60代後半までの幅広い年齢層の人がセックスを愉しんでいますが、「セックスが痛くてイクことができない!」「膣の入り口がズキズキと痛む」「奥のほうに鈍痛がある」などの性交痛を訴えて婦人科を受診する女性が増えてきています。

膣内の潤い不足で痛みを感じる女性

女性の痛みに関する悩みは色々ありますが、性交痛は生理痛に次いで悩んでいる女性が多いといわれています。ある女性誌の調査によると、女性の4人に1人はセックスの痛みに悩んだ経験があるという結果が出ています。

性交痛の症状には大きく分けると、下の図のように@ペニスの挿入時に痛い、A挿入後のピストン運動の際に膣がこすれて痛い、Bペニスで奥を突かれると痛い、の3つのタイプがあり、痛みの感じ方によって、原因は異なります。

痛みの場所による性交痛の分類

婦人科では性交痛を訴える患者さんに対して、最初に痛みの原因となる病気が隠れていないかを調べます。例えばHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染して尖圭コンジローマを発症していると、小陰唇の内側にブツブツやイボができているのを肉眼で確認することができます。性器ヘルペスでも、口内炎のような潰瘍(ただれ)が外陰部にできています。これらの性病に感染していると、ペニスの挿入時に膣口付近に激しい痛みを感じることになります。

肉眼で尖圭コンジローマや性器ヘルペスなどの病変が確認できない場合、おりものを採取して、膣カンジダに感染していないかを調べます。

膣カンジダは、ストレスや睡眠不足などの理由で体の抵抗力が低下すると、セックスを介在しなくても発病し、再発を繰り返します。「セックスでペニスを前後に動かしているときに、膣がこすれて痛い」と感じる場合、その原因の多くはこの膣カンジダです。

「膣カンジダ=アソコの激しいかゆみ」というイメージが定着していますが、必ずしもそうではありません。膣カンジダの再発を繰り返し慢性化してしまっている女性の場合、かゆみやおりものの異常(ボロボロしたおりもの)などの自覚症状はなく、性交痛でしか病気のサインが現れないことが多いのです。

「ペニスで膣内がこすれて痛い」という同様の症状であっても、更年期以降の女性の場合は、膣カンジダよりも萎縮性膣炎のほうが疑われます。萎縮性膣炎は、更年期で卵巣の機能が衰えて、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少することが原因でおこる病気です。

萎縮性膣炎になると、膣の粘膜が萎縮して分泌液がほとんど出なくなります。分泌液が少ない膣内は潤いが足りないため、ペニスが膣内でスムーズに動くことができず、ちょっと擦れただけで強い痛みを感じてしまいます。

また膣が萎縮して伸縮性が失われているため、膣はペニスのちょっとした刺激でも傷ついたり、痛みを感じやすい状態にもなっているのです。

膣内は分泌液によって潤いが保たれることで、細菌や雑菌の繁殖を抑える自浄作用があるのですが、萎縮性膣炎で分泌液が少なくなると細菌に感染しやすくなってしまうという問題もあります。

ダイエットや過度のスポーツ、食生活の乱れ、ストレスなどもエストロゲンの分泌が低下する原因となるため、若い女性も萎縮性膣炎になるリスクがあります。萎縮性膣炎による性交痛は、女性ホルモンの薬(エストリオール膣錠・内服薬)、ヒアルロン酸のジェルで和らげることができます。

乾燥で膣が痛い

「ペニスが子宮を突き上げる時に痛い」、「奥まで突かれると痛い」という症状がある場合、子宮筋腫(良性の腫瘍)や子宮内膜症(子宮内膜の組織が子宮内膜以外の場所に増殖する病気)が疑われます。

いずれも性交痛だけでなく、ひどい生理痛、下腹部痛、腰痛などの症状を伴うことがあります。子宮内膜症は、生理前や排卵日になると性交痛などの症状が悪化するのが特徴です。

またクラミジア淋病などの性病に感染した場合も、炎症が子宮や卵管にまで広がって子宮頸管炎や卵管炎を引き起こし、セックスの際の刺激で強い痛みが現れます。

セックス時の痛みの特徴からこれらの病気が疑われる場合、クラミジアと淋病は膣分泌液を採取することで感染の有無を確認できますし、子宮筋腫と子宮内膜症は内診やエコー(超音波)検査で診断をつけることができます。

エコー検査には、プローブと呼ばれる検査器を腹部の上からあてる「経腹エコー」と、膣の中に挿入して内側から見る「経膣エコー」の2つの方法があります。エコー検査をすることで、子宮筋腫の位置や大きさ、おおまかな数、子宮内膜症の位置や癒着の状態などがわかります。

セックスに対する恐怖感や嫌悪感が性交痛の原因になることもあります

上記のように痛みの原因となる病気がある場合、その病気を治療すれば痛みもなくなります。しかし、性交痛を訴えて婦人科に相談に来る女性のなかには、検査をしても原因となる病気が見つからないことがあります。

過去のトラウマで性交痛になった女性

ならば痛みの原因はなんなのでしょうか?まず長期間セックスをしていなかった女性は性交痛を感じやすい傾向にあります。20〜30代は1〜2年セックスをしなくても全く問題ありませんが、中年以降になると膣が萎縮するため、久々にセックスをしてペニスが挿入されると痛みを感じてしまうのです。

久々のセックスで心身が緊張してしまい、"潤滑油"の役割を果たす粘液の分泌量が少なくなることも痛みを感じる原因になります。この粘液は、膣入口の左右両側の小陰唇の下にあるバルトリン腺から分泌されており、性的な興奮が高まることで分泌量が増えて、いわゆる"アソコが濡れた"状態になります。したがって、キスや愛撫などのいわゆる「前戯」を飛ばして、ムードが成熟されないまま、いきなり挿入するのも性交痛の原因となってしまいます。

また過去に彼氏や夫とのセックスの最中に嫌な行為を要求されたり、アソコの臭いを指摘されたり、コンドームを使わずに中出しをされて望まない妊娠のリスクにさらされたりした経験があるため、それ以来、セックスに対して恐怖感や嫌悪感がある女性の場合、誰とセックスをしても挿入時に強い痛みを感じてしまいます。

セックスに関して心の中で引きずっている問題があったり、パートナーにやめてほしい行為があればキチンと伝えるようにしましょう。「本当は嫌だけど彼に嫌われたくない」という理由で、感じているフリをしている女性もいます。一番正直に自分を語れる場であるはずのセックスでの、嘘。こんなに悲しいことはないですよね (。>Λ<。)

セックスは二人で行う行為ですので、女性が注文をつけることは少しも恥ずかしいことではありません。彼のためにと痛みを我慢しても、結局はつらい思いをするだけです。

ただし、パートナーを否定するだけでは二人の関係がギクシャクするだけで、最悪の場合は別れてしまうことにもなりかねません。愛情を持って、彼氏(夫)のことは誰よりも大切に思っているけれど、こういった理由でセックスの最中にそれはできない、あるいは控えてもらえると嬉しい、と相手を思いやる伝え方を心がけましょう。

膣内の潤いが足りない?

膣カンジダや性器ヘルペス、子宮筋腫、子宮内膜症などの病気もなく、セックスに対する恐怖感・嫌悪感がないのに「セックスが痛くてつらい」という方は、潤滑液補助ジェルを試してみるのもよいでしょう。

彼氏にバレた時に「俺とのエッチじゃ気持ちよくなれないのかな?」と誤解されるのが不安という方は、あらかじめ「コレ、宏美の結婚式の二次会のゲームで当たっちゃった!」などと説明しておけば、ムードを壊すことなくスムーズに使用できると思います。

性交痛は一人で悩みを抱えていないで、気軽に婦人科に相談しましょう。セックスカウンセリングを専門に受け付けている婦人科も増えており、女医さんに話を聞いてもらうだけでも精神的に楽になって、痛みが緩和されることもありますよ。

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